仕事人としての東京ガスラグビー部 / works

第17回:深澤泰山 後篇

引き続き、深澤泰山のインタビューをお届けいたします。

優先順位の付け方はどうしてきましたか?

人を待たせているときや、どうしてもこの日に終えないと誰かに迷惑をかけるというケースは、仕事を優先してきました。翌朝早く来ればなんとかなる場合は、練習に行かせてもらう。業務内容によって、調整できるものとできないものがあります。でもね、基本は仕事ありきだと思うんですよ。僕らがこうしてラグビーができるのは、(それが要求されているレベルに達しているかは別として)ちゃんと仕事をやっているからで、ラグビー部なりに両立しようという姿勢を理解してもらっているからこそ、応援してもらえているんだと思う。企業の中でラグビーをやっている以上、応援してもらえなかったらラグビーをやっていても楽しくないと思うんです。
こういう考えのチームだから、練習も誰かしらいないというのは日常。けれど、皆が、最善を尽くしています。帰りが遅くなるケースって、実は明日でも間に合うんだけれど、この勢いでやってしまいたいという状況のことが多いのだと思うんですね。だからそこをちゃんと時間で切ってやっていく必要がありますね。17時半というのは本来なら、仕事が終わっていれば帰っていい時間なので、仕事はそれまでに終える。

限られた時間での、仕事と練習のやりくり。若いころからずいぶんと鍛えられますね。

そうですね。入社1年目の頃、自分の職場を(他の部署に比べて)忙しいと思っていたことがあったんです。しかもそれを自慢げに周囲に言っていた時期があった。けれど、先輩らの仕事を知れば知るほど、それが間違いだったことに気が付いて、たくさんの人が僕よりはるかに難易度の高い仕事をもっと限られた時間でこなしているわけです。それを知って「仕事が忙しい」と言うのをやめよう、恥ずかしいと思うようになりました。ラグビー部内でも、例えば営業の人を見ていると、土日一緒に遊んでいてもお客さんから電話がかかってきたり、試合後のロッカールームで電話を取っていたりする姿を見ると、忙しさにもいろいろな種類があって、自分のような内勤者はある程度仕事を自分のペースでできるという面では、やりくりしやすいのではと思うようになりました。

今年度に異動があったということですが、2015年からはどちらへ行かれたのでしょうか?

人事部の人事勤労グループです。新しい部署は、人事制度・賃金・賞与・退職金の計算などですが、まだ勉強中で、これから何が起こるのかまだ分からない状態ですね。現在の仕事のメインは給料の予算管理ということで、経理の知識も少し生かせるのですが、当然まだ慣れていないところはあります。もともと総務系の仕事を全般的に経験したいと思っていたので成長できる有難い異動です。ラグビー部にもいろんな部署の方がいるので、社内のいろいろな職場の話を聞いていくと、導管経理との違いを実感します。例えば、常に時事問題に敏感である必要がある部署なんかもある。そう考えるとまだ東京ガスのことを知らないんだなと思ったんですね。仕事内容が変わった初年度ということもあり、また関わっている人が増えたので、慣れない部分で時間がかかってしまうということはあります。すでに、練習に行けない日も出てきていますが、シーズンが始まるまでには、調整をしておきたいな、と思っています。

さらに、6月からは他部所との兼務も始まりまして、よりいっそう扱う領域が増えていくのかもしれません。入ってくる情報量が格段に増えて、さっそく朝礼で時事問題が話題にされたりもして、今まで避けてきた勉強をいよいよしていかなくてはならないなと感じています。

若手に向けて仕事とラグビー両立のコツをアドバイスしてください。

職場の方や上司に対し、ラグビーを一生懸命やっているんで、練習に行かせてくださいと宣言し、先に関係性をつくること。ラグビーをやっていますというのは、一番初めに言う。時には迷惑をかけることがあると思うけれど、他でカバーします!と宣言する。実はこちらからアピールしなくても、職場に応援団は多いです。それだけ先輩たちがラグビー部の看板を背負って、ちゃんと仕事をしっかりしてきてくださったのだと思います。

例えばね、夜勤のある職場の人でも、 「練習のない日に頑張ってカバーするので」となるべく練習に参加できるように調整してもらっていた選手もいました。職場ごとに事情は違うと思うので、ここでまとめた助言をするのは難しいから、前に同じ職場にいたラグビーの先輩にやりくりのテクニックを聞きにいくのが一番いいと思う。それぞれが何かいい方法を教えてくれるはずです。どういう風に言ったらいいか、場合によっては間にその先輩に入ってもらうというのもいいかもしれません。そしてなにより、職場にいられるときは手を抜かずにやることですね。

ラグビーをやっている毎日と、そうでない会社生活、どう違うと思いますか?

ラグビーをやっている方が、メリハリが聞いた会社人生になっているのだと思います。仕事って、目の前の作業そのものは、自分が(趣味のように)やりたいこととは少し違いますよね。それでも、その仕事を時間内に片づけて、自分が本当にやりたくて選んだラグビーに注力する。両立といっても両方が強制的な同じ種類のものではないはずです。だからね、今は辞めたとき自分はどうなるんだろう、という不安のほうが大きいですね。そうは言っても子供も来年は小学生なので、今後は子育てとの両立なども考えていく必要が出てきています。これに関しても、ラグビー部には先駆者がたくさんいるので、先輩らに両立の方法を聞いていきたいと思います。

なにか若手の選手や、将来の選手にメッセージをお願いします。

こんなに自分のやりたいラグビーができて、仕事も「評価してもらえるチャンス」がある会社って本当に多くないと思うんです。入ってつくづく思いますが、僕らは恵まれています。ラグビーのレベルが高いチームって、選手に仕事の期待されていない、ラグビーだけというところが多いと思うんです。どっちも頑張れるこの環境を活かしてほしいと思います。善くも悪くも、この会社でラグビー部は目立ちますから。

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