ラグビー部の歴史 / history

第5話:強化決定以降(語り手:柴田・塩入・新妻・五十嵐)

戸惑いを経てチームは本格的に強化路線へ向かいます。その後の今のチームを支えている選手の入部へつながる動きについて、引き続き伺いました。

その後、3名に続いて、たくさんの名選手が入社をしてきますね。

塩入:チームが強くなっていくにつれて、いい選手が東京ガスに興味を持ってくれるようになります。そうなると選手が選手を呼び、現在、副部長である吉村(リビング営業部)、打矢(日立支社)なんかが入社してくれました。

柴田:鵜沼(リビング本部営業第二事業部)は東京ガスへ直接電話をかけてきて入ってきてくれた。塩入と田中、僕が早慶のパイオニアであるように鵜沼は明治のパイオニアです。彼を慕って中田(東京ガスリモデリング)、宮島(IT活用推進部)が入ってきてくれた。

塩入:吉村、打矢、中田が入社したその年に、警視庁を破って1部リーグに上がります。

:1990年に関東社会人一部リーグに、1993年に東日本社会人リーグ(トップリーグの前身)に昇格

柴田:安心して交代できる選手が揃ってきた。僕の場合、中田と同じポジションだったということ、もっと部のために自分ができることはなんだろう?と考え、このタイミングで僕はマネジメントサイドへ移行することに決めました。

塩入:同じタイミングで僕もこの年にキャプテンを下りています。立場をかえて、一部に上がったから次は東日本リーグを目指そう!と後はどんどん上を目指すのみでした。

柴田:このころは勝つことでモチベーションが上がり、夏合宿の場所も菅平から北見に変えたりと士気も上がっていきました。この時でも高卒メンバーが半数以上を占めていました。

五十嵐:このあたりからはポジション争いが本当に厳しくなったね。

塩入:付け加えておきたいこととして、当社では野球部は都市対抗野球に出ていて、野球部の試合は社長が観戦されるんです。けれど、当時のラグビー部の試合には来てもらえなかった。だから強くなり全国大会に出れば応援に来ていただけるのではないかというのもひとつのモチベーションでしたね。

強化決定後の、模索期、そこを抜けて強くなっていく過程についてお話を伺いました。
皆さんから今の現役メンバーに向けて何かメッセージはありますか?

新妻:是非!皆さんに「部の歴史」を知っていただきたい。そんな歴史の中で現在の東京ガスラグビー部が存在していること。だからこそ、今も「仕事とラグビーの両立」を掲げている。その歴史を引き継いで、これからも上のリーグを目指し頑張っていただきたい。そして、OBは身近にいる現役の「歴史の語り部」になっていただきたいと思っております。

五十嵐:自分が部に在籍していた時の環境と今は大きく違っているんだと思います。かつては職場にも今より人員がいて余力があったように思うんです。今は人も少なくて、個人に求められる仕事量が増えている。正直言って両立は相当しんどいと思う。もちろん、仕事も頑張って、レギュラーも取れたらそれに越したことはないんですが、大部分の選手、特に高卒選手の場合、それは難しいですよね。それでも、今ここでラグビーを頑張ることが将来の会社生活に必ず肥やしになるんです。でも、そのことに現役時代は気が付けない。会社には長くいるわけです。今やっていることは間違っていないので、一生懸命になってほしいと思う。
僕も経験しました。試合に出られなくなってくると、モヤモヤした気持ちが湧いてくるんだけれど、その時になって、周囲が自分を支えてくれていたことに気がつくんです。だから、チームのために自分には何ができるかっていうことを考えられたらと思う。その思考は絶対仕事に活きてきます。

柴田:僕は入社以来、28年間チームから離れたことがなく、ずっとチームを見てきたのですが、僕が入社をしたころはうちだけではなく、どこのチームも仕事とラグビーの両立をしていて、そのことがラグビーの美学と言われている部分でもありました。それがトップリーグ創設以降、環境が変わってきていますよね。現役選手の皆にとっては、仕事に求められる水準が上がったうえで、強い(練習時間が自分達よりも多い、強化費用の格差等)相手と対決しなければいけないことは本当にキツイと思うし、対等ではないという思いもあるだろうけれど、僕も協力して一緒に立ち向かっていきたいと思います。
ラグビーを通じて高い目標に向けて切磋琢磨してきた仲間の絆は固いし、引退後も様々な職場に先輩・後輩がいて、仕事面での連携もあって、うちのラグビー部は本当に素晴らしい。仕事との両立は大変だろうけれど、ラグビープレーヤーでいられる時期は長くはないので、チームのために、そして多くのファンの方のために自分を高めていってほしいと願っています。

塩入:ラグビーができている環境には、いろいろな立役者がいるということを知ってもらえたら嬉しい。トップリーグにいる選手は確かに練習時間が長いけれど、長い人生を考えたらやはり仕事が一番。だから両立をもっと頑張ってほしい。うちは監督を置いていないし、自分達で自分達のことを考えるチームでなくてはいけない。責任をもってやるべきだと思います。

柴田:この先のことについては、また吉村、打矢、中田らに語ってもらいたいね。

:創部30周年を記念して作成した記念ビデオのプロローグ

(左から、新妻、塩入、柴田、五十嵐)

次回も、また各時代のキーマンをお招きし、お話を伺っていく予定です。(インタビュア:高野美穂)

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